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「大阪勤労者音楽協議会機関紙」 No.195 1966 - さくら (?)

2021/03/01 (Mon) 20:00:39
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『新音楽』 Shin Ongaku PM6

PM8月例会
《歌謡界の女王 美空ひばり*登場》 演奏=原信夫とシャープス アンド フラッツ

「歌は世につれ、世は歌につれ・・・・・・」
美空ひばりは、世のうごきにつれて十七年の半生をうたいつづけてきました。おさないころからの様々な思い出とともに、彼女の歌は、あなたの心にもしみこんでいることでしょう。彼女の歌は、この長い年月、私たち庶民の生活とどんなふうにむすびつき、とけあって、つながってきたのでしょうか。

【悲しき口笛】 わが青春の里程標・・・竹中労
ひばりの「悲しき口笛」が、街に流れだしたのは、一九四九(昭24)年九月。下山・三鷹・松川と解事件がつづいた暗い夏のおわりだった。
この年、5月三〇日日、「公安条例」反対の集会で、労働者・橋本金二が殺された。いわゆる、5・30事件である。その翌日自由労働者と学生のデモが、GHQ(占領軍総司令部)に押しかけた。それは、日本の民衆が戦後はじめて、占領軍に対して公然と示した敵意であった。
巷には「九月革命」の嵐がふきすさび、民族・民衆的なるものの炎は、日本列島に燃えひろがろうとしていた。下山・松川のフレーム・アップが、米軍謀略機関の手によって行われたことは、今日定説になっている。高揚しつつあった労働攻勢大衆運動は、その暗黒政策によって挫折した。そして、朝鮮戦争、レッド・パージ、再軍備、・・・・・・夜と霧の時代がはじまる。
私が、「悲しき口笛」をきいたのは、九月の末、占領軍批判で大山郁夫が逮捕されたというニュースに興奮して、新宿の友人の家をたずねる途中だった。唄声はいきなり、パチンコ屋の店先から流れだした。
〽丘のホテルの赤い灯も、胸のあかりも消えるころ・・・・・ものがなしいメロディは、チンジャラと玉のはじける音に、オーバーラップして、いいようのない挫折感を私の胸にきざんだのある。いまでも、「悲しき口笛」を口ずさむと、そのときの苦い思いが心に回帰する。
十七年の時をへだてて、当時の録音をきくと、それはむしろ童謡風といってよいほど、かれんな歌声である。特殊児童とか、ゲテモノなどといわれながら、ひばりは「日本歌曲」の伝統をうけつぎ、庶民社会の中に正しく発展させてきた。
「悲しき口笛」は、彼女にとってはじめての持ち唄であり、戦後大衆歌謡の歴史に、一つのエポックを画した。売り出されるとほとんど同時に、十万枚の大台をこえ、ロング・セラーとなって四五万枚の記録をつくった。その艶歌調のメロディは、笠置シズ子の「東京ブギウギ」に代表される、アメリカナイズの風潮を圧して民衆の情念を日本の音律に回帰させたのである。
五二年「リンゴ追分」以後、美空ひばりが開拓した、流行歌の"民族主義"は、そのオリジンを「悲しき口笛」に求めることができる。そして、その歌声は戦後の激動を肌身に感じて生きた、私の青春の里程標ともなっている━━。

Re: 「大阪勤労者音楽協議会機関紙」 No.195 1966 - さくら (?)

2021/03/02 (Tue) 19:31:58
*.zaq.ne.jp

【リンゴ追分】 ああなんとさわやかな・・・富永一朗
ある週刊誌のアンケートに答えて、僕は「りんご追分」を、戦後歌謡曲ベスト・テンの中に入れた。
上京後間もなく、初めてこの歌を聴いたとき、ああなあとさわやかな歌だろうと思った。曲に清涼感があふれている。それを美空ひばりという不世出の歌手がみごとに歌いこなした。
おそらく彼女以外の歌手だったらこうはヒットしなかっただろう。
一見歌いやすいようだが、よほどの歌手でなければ、間のびするか、せっかちに終るかで、なかなか歌いこなせるしろものじゃない。ムードだけではどうにもならないような気がする。ごまかしの聴かない歌なのである。美空ひばり自身にとっても、もっとも格調の高い持ち歌であろう。やたらにがなるのはよしてこんな情緒テンメンたる歌をうんとたくさん歌ってほしい。ジンワリさわやかに歌いこなせるこれほどの歌手は、もう二度と現われないかもしれないからだ。戦前からの歌謡曲ファンとして、精進を望むや切である。

【哀愁波止場】 うれしい二日酔い・・・小林勉(朝日放送ラジオ制作部)
ひばりちゃんの発声の魅力を中心に・・・・・。
美空ひばりが天才少女として出現したとき、三十女の色気をもった声だといわれた。今もお色気のある声だ。美空ひばりに声変わりはないのかな。
「花笠道中」という大ヒットがあった。学生時代僕は新宿末広亭で、翁家さん馬のぼやきに笑いこけていた。「医師の地蔵さんに道をきいたって返事するかってんだ」昭和三十三年である。「花笠道中」のひばりちゃんはまだ地声だったと思う。
つづいて「江戸ッ子寿司」というヒットがあった。もう地声ではない。裏声でもない。マヒナの使うファルセットとは全くちがう。地声を表声といいかえるなら、表声と裏声の半々というところか。さすがひばりちゃんうまいのだが、聴いていると達者さだけが耳について落ちつかない。ぼく個人としては厭だった。
しかし三十五年「哀愁波止場」が出たときは驚いた。どこまでが表声でどこからが裏声なのか全然わからない。むしろ不思議なミックスの魅力があふれているのだ。〽夜の波止場にゃ、誰もいない・・・・・・あの唄い出し。あったかく鋭いく、なんともはや、澄みきった声ではありませんか。
酔っぱらえますねェ、泣けますねェ、いい酒のいい酔いだ。作詞をする人には申し訳ないが、ほんとうにうまい節まわしを聴いていると、エイ、もう、歌詞なんかどうだっていいや、と思えてくるときがあるのではないでしょうか。「哀愁波止場」はそんな気分になる歌です。
作曲は船村徹、従来ヨゴレの艶歌の王者だったが、この曲ではキレイな半面を十分に発揮。ひばりちゃんのメロディとバックの弦のかけ合いにはウットリさせられる。船村ぶし、お家芸とでもいおうか。おちらフランスでは男性歌手ムスタキが「私の影とただ一人」の題でレコードにしている。
「リンゴ追分」の声の伸びに魅されてひばりファンになった人にとって、「哀愁波止場」は、うれしい二日酔ではないだろうか。

Re: 「大阪勤労者音楽協議会機関紙」 No.195 1966 - さくら (?)

2021/03/04 (Thu) 02:06:16
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【ひばりの渡り鳥だよ】 鼻唄まじりの浪曲調・・・小林勉
この曲の生まれる動機を中心にメモします。
〽寝てはユメ起きてはウツツまぼろしの・・・・・「紺屋高尾」という浪曲の一節で、オヤジやおふくろさんには懐かしい名調子。昭和のはじめ、篠田実の当り芸は戦後の「お富さん」に勝るとも劣らぬ勢いで全国を風靡したという。
さわりをちょっと。
〽水にうつりし月の影、手にとれざると知りながら、ぐっしょりと、濡れてみたいは人の常・・・・・
早いはなし、安月給とり染物職人の久七さんが高嶺の花ミス?吉原の高尾太夫に一目惚れして結婚OKみごと添いとげるという夢のような物語である。
さて、本題は、「ひばりの渡り鳥だよ。」でした。
ひばりちゃんの歌の中ごろ。
〽逢うに逢えぬと思うほど 逢いたさつのる旅のそら。
このあたりのメロディを浪曲の「紺屋高尾」と聞きくらべてみてください。 〽水にうつりし月の影、手にとざれると知りながら・・・このメロディと、そっくりです。それもその筈、作曲した狛林正一は、紺屋高尾をヒントに、ひばりちゃんのための一曲を作ったのです。
労働会員の皆さんのなかには浪曲と聞いただけで、ぺっとり重い塩辛声を連想して眉をしかめる人も多いでしょう。でも、ひばりちゃんの「渡り鳥だよ」を聴いてください。下地は浪曲なのに、小気味よいほど軽快で楽しい唄に生まれ変っています。浪曲独特の、例の、ああん、ああァー、あんああァーアという節まわしの遊び・・・・・このテクニックを充分に消化したひばりちゃんの持味が、鼻唄まじりとでもいいたいような軽妙さのなかにキラリ光っています。おなじ浪曲調でも「ひばりの佐渡情話」になるとやや重厚ですが「渡り鳥だよ」は、なんべん聴いてもすがすがしい、佳い小品だと思います。
三番 〽雪の佐渡から青葉の江戸へ(西澤爽作詞)という唄い出しの文句も好きです。
余談ながら、佐々木新一「あの娘たずねて」冒頭のメロディも従来の川田晴久、 〽地球の上に朝がくる、その裏がわは夜だろう・・・・・・にそっくりで、おもしろいですね。

Re: 「大阪勤労者音楽協議会機関紙」 No.195 1966 - さくら (?)

2021/03/04 (Thu) 19:43:11
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《ひばりさんの出演にあたって》 ・・・原信夫

初めての大阪労音出演を前にひばりちゃんは大変はりきっています。労音のステージのやりよいこと、やり甲斐のあることは彼女も先刻承知のことですし、多くの会員の方々のご期待にこたえるべくファイトを燃やしています。もちろん私たちも楽しみにしています。
彼女の歌のすばらしさについては今更私が何もいうことはありませんが、一緒のステージを重ねる毎にそのうまさにつくづく感じ入ります。類いまれな才能に恵まれた彼女の歌には安定感と重量感があり、こぶしのきく歌謡曲では彼女の右に出る人はないと思います。のみならず彼女はバタくさい歌にも強く、何を歌っても聴く者の心にしみじみと訴えかけます。
ますます広げつつある彼女のレパートリーをみてもその意欲がうかがいしれるでしょう。今度の例会でもきっと密度の濃い舞台を聴かせ、またみせてくれることと思います。一人でも多くの方々に彼女の歌を味わって頂きたいと思います。


★六月の例会がチエミさんです。で、こんなのが載っていまし
た。
《我がノニを語る》 ・・・美空ひばり
我が親友を語れといわれると困ってしまう・・・・・・余り知り過ぎているということかも知れない。世間でいう言葉「惚れ過ぎると何も判らなくなる」でも私たちはそれを通り過ぎてしまってお互いの悪い所ばかり話し合う、そんな二人なのだ。ではこの誌上を借りていおう。
私は彼女をノニと呼んでいる。これは私がつけたことでなくチエミが愛するダーリンがつけた名前であることは皆さんもご存知であろう。まあ前置はこの位にして・・・・・・
このノニは勝気で負けずぎらい。もちろん私たち芸能人には、これは持っていなければいけない大事な物であることはよくわかるし、尊敬もできる時もある・・・・・・けれどこれが損をするときもある。でも私たちは、それを乗り越え生きて来た。
私と違って母も早くなくして世間の風に一人で打ち勝って来た彼女。
私にもわからないつらい、苦しい時もあったと思う・・・けれどそんなことは話したこともない人。彼女は明るく笑っていてもその後に淋しい影があることが私にはわかる。でもそれを彼女の持って生まれた芸に、もっともっと新しく現わしてほしい。これが私、親友としていいたい言葉である。昔の人がいう通り〝出るクギはうたれる”そんな世間を素直に愛し、唄を大事にして行く歌手に、ノニはなりきれる人間に成長していると信じて私はペンを走らせたのです。どうか私や、ファンを裏切らずにいろんな雑音を気にせずこれからもますます頑張って欲しい‼ ・・・おわり

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